薬ゼミファーマブック

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薬ゼミブックレットNo.3
地域医療連携と薬局・薬剤師

地域医療ネットワーク時代の薬局・薬剤師の役割を提示
改正医療法で医療提供施設に位置づけられた調剤薬局は、新たな医療計画で進められる地域医療連携体制の構築にあっても重要な役割を担うことになりました。その際の薬局・薬剤師の専門性の在り方を提案します。
2009年3月
監修=国際医療福祉大学三田病院 副院長 武藤正樹
発行=株式会社薬ゼミ情報教育センター
A5判 72頁 2色刷
定価 1,575円(本体1,500円)
ISBN978-4-904517-00-0

監修のことば

目次

Ⅰ地域医療連携推進の背景・現状

医療機関 - 保険薬局における情報共有
はじめに/地域医療ネットワークと医療チーム/おわりに
地域連携クリティカルパス運用と薬局 ・ 薬剤師
はじめに/地域連携クリティカルパスとは何か/
地域連携クリティカルパスにおける薬局 ・ 薬剤師の位置づけ
医療連携と医療安全の視点-医療情報の共有と薬剤の適正使用-
シームレスな薬剤サービスのために/医療状況の変化に対応する

Ⅱ 地域医療連携を実践する

実践事例1退院時共同指導に取り組む
「薬剤師在宅コーディネーター」により医療機関との連携関係を構築
退院時共同指導の成り立ち/退院時共同指導とチーム医療
実践事例2地域医療連携シートの活用
いち早い事前情報の収集に効果的。薬局薬剤師の信頼性向上にも
医療連携のための情報収集/事例に見る情報共有のかたち
実践事例3広域電子カルテの活用
あじさいネットワークに参加。的確な患者情報の収集・把握を実現
広域ネットワークによる情報共有/事例に見る現状と課題
実践事例4地域連携クリティカルパスの活用
外来化学療法をフォロー。患者満足度の向上と、薬局のやりがいに
顔の見える関係作り/事例に見る現状と今後の課題
実践事例5在宅訪問薬剤師の役割と連携
今、持てる機能で医療連携は可能。他職種の役割を理解することが肝心
在宅訪問薬剤師の役割/退院時、そして在宅療養での医療連携

Ⅲ 医療連携と調剤報酬

  調剤報酬算定チェックリスト
  医療連携における薬学管理料の算定(2008年改定対応)
薬剤情報提供料
外来服薬支援料
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
在宅患者緊急時等共同指導料
◎他職種(在宅患者緊急時等カンファレンス料)の点数
退院時共同指導料
調剤情報提供料
服薬情報提供料


監修のことば

 2006年6月の第五次医療法改正を受けて、2008年4月より新たな地域医療計画がスタートしました。この新たな医療計画では、地域の医療施設間の連携がことのほか強調されています。またその連携のあり方も、従来と大きく変わりました。これまで医療連携のモデルとされていたのは、大学病院や地域中核病院を頂点として、開業医を底辺とする三次医療・二次医療・一次医療のピラミッド型連携でした。しかしこれが解体され、患者やかかりつけ医、地域における医療提供施設が、疾病別・事業別に水平の医療連携ネットワーク体制を組むこととなったのです。

 具体的には以下の4疾病別・5事業別分野での連携ネットワークをそれぞれの地域で構築することになります。4疾患とは①がん、②脳卒中、③急性心筋梗塞、④糖尿病、5事業とは①小児救急医療、②周産期医療、③救急医療、④災害医療、⑤へき地医療です。

 そして今回の医療計画の見直しの中でも特筆すべきことは、薬局が医療提供施設として正式に位置付けられたことです。具体的には改正医療法の第1条の二の2で「医療提供施設」を「病院、診療所、介護老人保健施設、調剤を実施する薬局その他医療を提供する施設」とし、「調剤を実施する薬局」を初めて「医療提供施設」として明記しました。

 さて医療法はいうまでもなく医療に関する基本法、つまりは医療における「憲法」にあたります。この医療法に薬局が医療提供施設として位置づけられたことにより、時代の中で薬局・薬剤師は大きな第一歩を踏み出すことになります。

 本書では21世紀の医療連携時代にふさわしい新たな薬局・薬剤師像を地域連携クリテイカルパスへの参加、病院の退院時共同指導への参加、在宅医療への参加、地域ITネットワークへの参加などの事例ごとに見ていくことします。

 いよいよ医療提供施設としての薬局や薬剤師の新たな活躍の舞台の幕が上がったのです。



平成21年1月吉日

東京・三田にて
武藤 正樹