薬ゼミファーマブック

表紙

裁判例から学ぶ! 薬剤師と医療コミュニケーション

患者の安全を守るためのコミュニケーションを学ぶ
薬剤師が患者や医師と接するときに必要なコミュニケーションの基本事項をまとめました。特に本書では、医療裁判から得られた教訓を初回面談、疑義照会、服薬指導などの薬剤師業務にあてはめ、薬剤師の役割を考えます。
2009年9月
監修= 東邦大学薬学部医療薬学教育センター
薬事法学研究室 准教授 秋本義雄
いわき明星大学薬学部 准教授 鈴木政雄
発行=株式会社薬ゼミ情報教育センター
A5判 134頁 2色刷
定価2,100円(本体2,000円)
ISBN978-4-904517-09-3

目次

Part1 薬剤師とコミュニケーション

1-1何のためのコミュニケーションか―対象と目的―
1-2面談による情報収集と薬剤師の義務―裁判例からの教訓―

Part 2 コミュニケーションにおいて留意すべき点

2-1患者等とのコミュニケーション
2-2医療コミュニケーションの基本
2-3面談時の質問等に関する留意点

Part 3 初回面談と患者等からの情報収集

3-1法的根拠
3-2患者等の情報収集にかかわる医療過誤―裁判例からの教訓―
3-3初回面談の流れと留意点

Part 4 処方せんチェックと疑義照会

4-1法的根拠
4-2薬剤師と医師の法的立場と処方せん
4-3疑義照会と医療安全―裁判例からの教訓―
4-4疑義照会の意義
4-5疑義照会の流れと留意点―処方医とのコミュニケーション―
4-6疑義照会事例

Part 5 服薬指導と情報提供

5-1法的根拠
5-2薬剤師による服薬指導―裁判例からの教訓―
5-3副作用の説明と副作用防止の説明の使い分け
5-4患者等応対における留意点
5-5服薬指導の流れと留意点

Part 6 薬歴・疑義照会内容などの記録のもつ意味

6-1法的根拠
6-2記録の必要性―裁判例からの教訓―
6-3記録内容と記述の時期

◆資料◆

重篤な副作用の初期症状と主な原因薬物



はじめに

 薬剤師は薬を通じ患者や顧客(一般用医薬品購入者)(以下、「患者等」と表記)のパートナーとして健康づくりに奉仕する医療人です。患者等の訴えを聴き、よく理解し、薬の専門家として判断します。患者等の訴えを聴くためには良好なコミュニケーションが必要であり、よく理解し判断を下すためには深い知識と洞察力が必要です。薬剤師には、医療人として患者等への思いやりが不可欠です。
 本書では、薬剤師と患者等のコミュニケーションを通じて行われる情報収集および薬剤や医薬品(調剤されたものは薬事法の規定を受けないため「薬剤」、それ以外を「医薬品」とする)を交付する際の情報提供がなぜ必要なのか、何を収集し、何を提供すべきかを示します。また、患者等のパートナーとしての意識、アイデンティティー、責任のあり方はどうあるべきかについての例を示し、薬剤師として患者等の利益を守るための役割を考え、コミュニケーションを実践する手助けになることを目的としています。
 よって、
 「この場合は、××について質問しましょう」
 「こんなとき、○○と答えるのが適切です」
というハウツーを主に示したものではありません。ハウツーについては、みなさんがそれぞれの現場で積み重ねて得た経験こそが最も貴重で実用的なものだと思いますし、参考事例については関連書籍も多数あるのでそちらをご参照ください。
 また、裁判例など難解な内容や、薬剤師の業務上の不備をかなり厳しく指摘した部分などがあるかと思いますが、それらを通し薬の専門家たる薬剤師が医療人として、医療安全に果たす役割を意識していただければ幸いです。

2009年8月

東邦大学薬学部医療薬学教育センター薬事法学研究室 准教授
秋本 義雄
いわき明星大学薬学部 准教授
鈴木 政雄