5月28日(日)「症例から考えるポリファーマシー ~発見、医師への処方提案含めたトータルマネジメント~」薬剤師生涯学習講座を開催しました

「症例から考えるポリファーマシー ~発見、医師への処方提案含めたトータルマネジメント~」薬剤師生涯学習講座を開催しました

2023年5月28日(日)は筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター 水戸協同病院 橋本恵太郎先生を講師に迎え、グループワークを取り入れたZoomによるWeb生配信講座にて「症例から考えるポリファーマシー ~発見、医師への処方提案含めたトータルマネジメント~」を開催しました。

当講座では、橋本先生が実際に担当された症例をもとに、グループワークを交えてポリファーマシーの解消に向けた工夫を学びました。
グループでまとめた意見を医師や患者さんご本人にどのように伝えるべきか、グループワークの最後にはロールプレイを実施することで実践的に身に付けることができました。

橋本先生から「五快:快食、快便、快眠、快動、快重」に変化がないかを見つけることがポリファーマシーの解消に向けた一歩に繋がることが現場で多いとアドバイス頂き、明日からの業務に活かせるテクニックが満載の講座となりました。

参加者の声

・減薬や薬剤変更を提案すると、ご高齢の患者さんほど「医師の言うとおりでよい、今までのままでよい」とおっしゃるように思います。飲みなれたお薬を飲み続けたい気持ちや、以前服薬して症状がよくなったことを思い出すと、薬を中止してまた不調が出てこないかと不安になる気持ちはよく分かりますが、そういった場合にはなかなかポリファーマシー解消に向けての介入が難しいのかなと思います。他科受診や市販薬の服用状況を隠したがる患者さんなども同様です。ですがそういった場合こそ、今回先生がおっしゃっていたように、患者さんからの信頼を得ることが何より大切だと改めて感じました。何でも相談して、こちらが提案すれば非薬物療法もやってみようと思えるような関係であれば、スムーズな介入ができると思います。これらを踏まえ今回、患者さんに対してどう指導するか、ロールプレイも含めて検討できたことは、非常に良い経験となりました。

・直近のバイタルサインや検査値異常から、薬剤服薬調整の大切さを学びました。ロールプレイを用いてほかの薬剤師の意見を聞くことで、アミロイドの値が低いといった自分で気づかなかったバイタルサインの異常項目に気づくことができ、自身の知識不足を実感する結果となりました。この反省を生かして、検査値項目について再度学んでいきたいと思います。

・患者さんの治療目標達成を可能とする具体的な数字を、患者さんや医師に伝える重要さを学びました。患者さんは薬に対する理解が深いのか浅いのかを認識することも、グループディスカッションから勉強になりました。例えば塩分制限というだけではなく、数日で体重が何kg増えたら相談して下さいと伝えると患者さんが早期に状態が分かり、治療の向上に繋がると思いました。

・実際の症例を用いて薬の副作用や適応をはじめ、生活指導の方法なども学べたため、非常に勉強になりました。薬局で働く薬剤師はカルテで患者さんの症状を把握することはできませんが、患者さんとコミュニケーションをとり薬歴に記載していくことで症状の把握を行っていかなければならないと強く思いました。

・多剤を漫然と投与されている処方を見かけますが、介入の機会の際に、どのようにポリファーマシーの解消に繋げたら良いのか、具体的なお話を伺ってとても勉強になりました。患者さんの病歴・既往歴、処方薬での相互作用、持ち合わせている背景などを考慮し、薬のことのみならず、多面的な見方が必要であると痛感しました。

薬学ゼミナール生涯学習センターでは、これからも薬剤師の方のためになる内容を企画開催していきます。

ご参加をお待ちしております。

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