VOICE 003 伊藤真人

心配や自信のなさを「やってみたい」という気持ちが上回ったんです。伊藤真人

合格した喜びを共有したい

四年制時代に五年かけて大学を卒業。国試は三度目のチャレンジで合格。
自身が紆余曲折を経ているからこそ、悩んでいる学生の背中を押したいという伊藤講師。人前で話すことが苦手だったゼミ生が講師になったキッカケや、講師職のやり甲斐などをインタビューしました。

薬剤師の道を一度は諦めて

Q:そもそも薬剤師免許をとろうと思ったキッカケは?

高校卒業時、進路を考えるべき時に「これだ」というものがなかったんですが、アルバイト先の上司の「これからの時代は医療だ」という一言で、なんとなく薬学部へ進みました。いざ入学すると、周囲のみんなは薬剤師を目指して一生懸命なのですが、自分はなんとなくという感じでしたから、勉強が苦痛で仕方なかったのです。3年生時に休学し、海外赴任していた父を頼ってアメリカへプラプラしたりしていました。結局、大学卒業には五年かかりました。そんな調子でしたので国試に合格できるわけもなく、二度失敗して薬剤師の道を一度は諦めました。

Q:そこからもう一度国試に挑戦しようと思ったのはなぜですか?

薬剤師の道を諦めて、ハローワークにも通ったのですが、やり甲斐を感じる仕事が見つからない日々でした。ある日、道を歩いていたら外国人の方に声を掛けられたんです。道案内をしてあげたら「アリガトウ!」と言ってくれて。人に感謝してもらうことが久しぶりで、すごく嬉しかったのです。この時ふと、「もしかしたら薬剤師という仕事も、患者さんから感謝の言葉をもらえる仕事かもしれない」と思いました。そこでもう一回、ラストチャンスとして国試にチャレンジしてみよう、とやる気が湧いてきたのです。その後、薬ゼミ渋谷教室へ通って猛勉強しました。勉強をやる意味を見出したから、あれだけ頑張れたんだと思います。三度目のチャレンジで合格できました。

人前で話すことは苦手

Q:講師を目指したきっかけを教えてください。

当時、友人7人グループで受験勉強をしていたのです。それぞれ得意不得意があって、互いに教え合っていました。僕が教えた友人が「この前教えてくれたおかげで点数がとれたよ」と言ってくれるのがすごく嬉しかったですね。結局、グループ全員揃って合格できました。お祝いの飲み会を開いたのですが、すごく楽しかったです。合格できた喜びを共有しあえることがたまらなく嬉しかったのです。
国試の結果が出る前に、渋谷の教室長だった高田講師から「講師、やってみない?」と声を掛けていただいていて、自分に出来るかどうかわからないけどやってみよう、と決意しました。人に教える喜びというのに目覚めたんだと思います。

Q:人前で話すことは得意なのですか?

とんでもない。はっきり言って大の苦手です。大学で発表する場があっても、僕は黙っているほうでしたし。でも、そういう心配や自信のなさを、講師をやってみたいという気持ちが上回ったんです。出来なかったから出来なかったで仕方がない、と開き直るような心境でした。

羽ばたいていく姿を見たい

Q:実際講師となっていかがでしたか?

デビュー前に30分間、十何人かの学生を相手に補講をする機会があったんです。もう手が震えてしまって、黒板の字がグネグネ曲がって、ミミズのようになってしまいました。「先生、緊張してたね」と生徒さんたちに言われてしまう始末で……。二回目は震えが少し減って。三回目、四回目となっていくうちに震えがなくなっていきました。でも新しい内容をやるたびに頭が真っ白になって次に何を話していいかわからない、なんて瞬間はしょっちゅうありましたね。

Q:一方で、講師としてやり甲斐はどんな時に感じますか?

学生のいろんな顔を見られるのが講師の醍醐味かなと思います。苦労していた頃をずっと見守ってきた生徒さんが、合格をしてとびきりの笑顔を見せてくれるわけです。就職後、社会人になってから会いに来てくれる生徒さんは顔つきも違ってます。羽ばたいていく姿を見ることが出来るのが、講師としては楽しいし、充実感がありますね。

ゼミ生向けだけではなく、MR講義もなさっていますね。

担当が病態薬物治療という科目柄もあり、MR向けの講義もやらせてもらっています。学生さん向けの授業の時は板書を使って講義しますが、MRさん向けの場合はパワーポイントを使って行います。MRさんのほうが前のめりというか、積極的ですね。合格しなかったらMRになれない、背に腹は代えられない、という必死さがあります。学生と社会人の意識の違いは感じますね。

教室そのものを盛り上げていきたい

Q:今後の抱負を。

2015年から渋谷教室の主任になりました。今までは自分の担当する講義に集中していればよかったのですが、主任になると自分の担当に加えて他の講師のことや学生全体を見渡すことが必要です。慣れない仕事が増えていくので大変な面もありますが、そのぶん毎日が充実しています。今後は主任として、今以上に渋谷教室そのものを盛り上げていきたいですね。

プロフィール

伊藤 真人 いとう まさと
薬学ゼミナール 津田沼教室長

経歴
2008年 東邦大学 卒業
2012年 入職
2019年 現職

休日の過ごし方・趣味
映画鑑賞が好きです。といっても映画館ではなく、もっぱら家でレンタルDVDですが。休日は妻とショッピングに出掛けています。

今後のビジョン
主任になったこともあり、渋谷教室を学生たちが講師の元へ寄ってきてくれる場所にしていきたいです。例えば神戸教室は学生たちの分析を盛んにやっていますし、福岡大橋教室は講師たちの団結力がすごいと思います。見習いたいですね。

メッセージ
講師という仕事を華やかに捉えている人がいたら、それは間違いだと思います。講師というのは脇役であって、主役はあくまで受験生のみなさんです。一生懸命目標に向かって頑張っている学生たちを応援したい、陰ながら支えたいという気持ちがある人は、講師に向いていると思います。人前で話すことが得意不得意というのは関係なくて、大切なのはそういった気構えだと伝えたいですね。

VOICE 004 髙西ひかり

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