VOICE 004 髙西ひかり
私は私なりのやり方で
大学院卒という異色の経歴を持つ髙西講師。
大の苦手だった物理を担当することになり、持ち前の負けず嫌いの性格を発揮して猛勉強。誰もが認める“頑張り屋さん”に、講師ならではの苦労と乗り越え方をインタビューしました。
目標を決めて、叶えるためにはどんな努力でもする
Q:大学院卒という経歴は珍しいですね。
現役当時に家から通える範囲の大学に合格できなくて、地方の学校へ入ったんですね。悔しい思いをしたので、大学院で戻ってこようと決意していましたね。でも最初から躓いてしまいました。大学が研究よりも国試対策の勉強に力を入れているところだったんですが、大学院は研究に力を入れている所で。要領がわからず、全くついていけなかったんです。周囲の人たちに恵まれたので、何とか論文をまとめることが出来ました。
Q:講師になろうと思ったきっかけを教えてください。
目標を決めて、叶えるためにはどんな努力でもする、というのが自分の特長だと思っています。大学院に入ったのもそうでしたし、卒院したら講師になろうというのも絶対に決めていました。きっかけは大学四年生の頃に、大学で薬ゼミの冬季講習を受けたんです。金子講師(当時仙台教室長)は情熱的な先生で、しかも学生目線に立った解説をされていて、すごくわかりやすかったんです。「この人みたいになりたい」と瞬間的に思ったんですね。一目惚れに近いような感覚でした。それで講習が終わってから金子講師に「講師になるにはどうしたらいいんですか?」ってアタックして。
Q:大勢の人の前で話す仕事に抵抗はなかったのですか?
小学生の頃から児童会の委員長なんかをやっていたので、人前で話すことは緊張したりしないです。例えば業務連絡的なことを話すのであれば、何千人の前でも緊張しないですね。でも“伝える”という行為は緊張します。自分の思いをわかりやすく伝える、ということは本当に難しいことなので。
よりにもよって苦手教科の担当に……
Q:講師になって、どんな苦労がありましたか?
好きだった衛生を担当したかったんですが、よりにもよって大嫌いで苦手な物理の担当になってしまったんです。でも仕事ですから仕方がないですよね。人様に解説して、教えられるレベルになるためには、理解するだけではダメなので猛勉強しました。先輩講師に研修していただき、移動中の電車の中でも、家に帰っても勉強して、一日12時間以上は、物理に費やしていました。起きている時間のほとんどが“物理”でした。
Q:受験生の頃より勉強したんですね。
本当にそうでしたね。それだけ頑張っても学生たちをガッカリさせてしまったと思います。私が配属された当時のお茶の水教室は、小林真講師(現 横浜教室)の物理を聞きたくて、楽しみにしてやってきている学生が多かったんです。そう思って入校したのに私が教壇に立っているわけですから「誰だ、おまえは?」状態ですよね。私自身も比べられてしまうので辛かったですね。
逆境を跳ね返す方法
Q:そういう状況をどのようにして乗り越えたのですか?
小林講師は洗練された講義をしますが、私には無理です。であれば私自身が大の苦手だったからこそ出来る“身近な”“寄り添った”講義をしようと。新人の私は小林講師に比べて教室にいて学生さんたちに接する時間が多く持てたんですね。だったら、身近な存在になろうと。講義評価は敵わないので、質問に丁寧に答えることを心掛けてきました。衛生担当だったら、それはそれで違う苦労があったと思うんですが、苦手な物理だったからこそ頑張れた、という部分はあるかもしれませんね。
周囲に支えられてきた恩返しを
Q:今後の抱負を
皆様のおかげで今の私があるんだなぁと感謝の気持ちでいっぱいです。今後は私がそうしてもらったように、新しく講師の道を目指す人の支えになれたらと思います。
プロフィール
髙西 ひかり たかにし ひかり
薬学ゼミナール 新宿教室
経歴
2012年 星薬科大学大学院 卒業
2012年 入職
2018年 お茶の水教室
2024年~ 現職
休日の過ごし方・趣味
テレビやDVDを観たりして、家でのんびり過ごしています。眠るのが大好きなので、いつも寝落ちしています。
今後のビジョン
講師としてのスキルアップはもちろんですが、教室の雰囲気を作ることが出来る存在になれたらと思います。学生に寄り添った教室、そして職員が楽しく働ける教室を作っていきたいですね。
メッセージ
自分がやりたい仕事は何なのか? という疑問に正直に徹底して向かい合っていただきたいです。本当にやりたい仕事、好きな仕事であれば、苦しいことも乗り越えていけると思います。もしもその選択肢が講師だとしたら、素晴らしい職業ですよ、と自信を持って言えます。薬剤師の卵を導いて育てていく仕事に、私自身も誇りとやり甲斐を持っています。